12月10日(日)、第5回基礎力養成講座を行いました。
メインレクチャーは農学部/グリーン科学技術研究所の朴龍洙先生の「カイコバイオテクノロジー」です。日本はシルクの大輸出国として、現在の近代化を築き上げた。カイコは、天然のシルクというタンパク質を大量に生産できる非常に有り難い昆虫である。講義では、カイコのタンパク質合成能力を活かし、本来生体には微量しか存在しない有用なタンパク質の発現例などを紹介した。講義終了後「ある極微量しか存在しない、例えばホルモンなどをカイコで大量に発現したい場合、あなたならどうするか、図を使いながら説明しなさい」というテーマでレポートを作成した。
サブレクチャーは竹内浩昭先生(理学部生物科学科)の「統計処理入門」。研究におけるデータの取り方やそれらの処理、すなわちどのような統計的手法を用いて処理するかは大変重要なことである。平均値や分散、偏差値など初歩なものから多変量解析など様々な統計処理方法を概説した。これから高校や大学で統計を学んでいく受講生に対して、まず「平均値のみでものを見るな」と語られた。講義後「今、進めている研究力養成コースの研究でどんな統計的手法を用いるか」についてレポートを作成した。
午後はワークショップ。前回のメインレクチャーから「①人工心臓など小型で高性能の人工器官(内臓や骨、皮膚など)が開発されたとき、人間は何歳まで生きられるか。また、生きたいか」、「②生命や医療に対する工学の貢献性について」、③「ベアリングレス・モータはどんなことに活用できるか」から一つ選んでディスカッションをした。英語でのワークショップは2回目であり、前回よりも各グループとも討論が盛り上がり、グループの発表に対しても鋭い質問が出された。
基礎力養成講座終了後に、生田領野先生(理学部地球科学科)による地学オリンピック特別支援講座「プレート境界における巨大地震と比較沈み込み学」が行われた。