第6回基礎力養成講座を行いました。

 今年度の最終回です。メインレクチャーは理学部創造理学コース准教授のDur Gaël先生の英語での「素晴らしいコペポーダ」。コペポーダとは地球表面積の70%以上を占める海・湖・川の水域に生息するケンミジンコなど曉脚(カイアシ)類に分類される小型甲殻類の総称であり、水域で最も豊富かつ広範に存在する種である。これらの生物はサイズとしては小さいものの、水質を測る上で優れた指標となるなど、地球上の全生物の中で重要な位置を占めている。このコペポーダの遊泳行動や特徴、採集方法などについて話された後、受講生は「コペポーダや蝶の他に、どの動物が潜在的に土地や水域の良い生物指標であると思いますか? また、その動物はどの基準にあてはまりますか?動物名と当てはまる基準を提示してください」というレポートに取り組みました。

 サブレクチャーは教育学部教授・澤渡千枝先生の「セルロース科学と社会」。セルロースは有史以前から自然の産物として地上に存在し、人類とはきっても切れない関係にある。エジソンの白熱電球のフィラメント、人造絹糸、食品・化粧品の増粘剤などに利用され、また最近はセルロースナノファイバーに大きな期待が集まっている。セルロースの時代ごとの「変身」を分かり易く話されました。レポート課題として、①あなた自身のセルロースとの関わり、②興味を持ったセルロース系素材とその理由、③セルロースの特性を活かした新しい用途が出題されました。

 午後はワークショップです。前回の講義から「カイコ以外の昆虫や動物で特殊な優れた能力を持っている事例をあげ、それらを人間の生活に活かすにはどうしたら良いか、あなたの考えを述べなさい」をテーマに事前に調べた小動物や昆虫の特殊な能力について英語でのグループ討議とプレゼンを行いました。

 終了後、3月25日に行う研究発表会のまでの準備日程、当日のプログラムや発表方法、また来年度の発展コースの内容や応募方法を説明しました。

Dur Gaël 先生によるメインレクチャーの講義風景

澤渡千枝先生によるサブレクチャーの講義風景

第3回、第4回のメインレクチャーのレポート掲示

ワークショップ英語による発表の様子