2019年10月27日(日)、第5回基礎力養成講座を行いました。
メインレクチャーはふじのくに地球環境史ミュージアムの山田和芳先生の「湖の底から、歴史を読み解く」です。未来を予測するために過去を正確に調べる、そのためのツールとして年縞(ねんこう)があります。湖の底にたまる年縞(ねんこう)という堆積物には、過去の自然環境や人間活動の履歴が精緻に記録されています。年代測定法は樹木の年輪、放射性炭素などがありますが、年縞には、過去の気候変動や、災害の歴史などが一年単位で記録されていることが明らかになり、世界最高の年代目盛りとしての可能性があります。この年縞を使って、分野横断(学際)研究が展開され、古代文明と環境の関係についての研究が推進され、新知見が得られています。
終わりに当たり、「年縞研究のような地球環境科学の研究の面白さは、何だと思うか?」、「科学が社会に対する貢献の方法はどのようなものがあるか?」という課題が出されました。
昼休みには、今年度海外研修に参加した発展コース生7人の代表の3人から香港科技大での研修報告がありました。9日間の研修のメインプログラムであるEngRich プログラムで英語でのコミュニケーションについて学び、ディスカッションやポスター発表などで実践したこと、また、接着剤を使わずに倒れない高いタワーを作るという取り組みでは、班員同士のコミュニケーションを英語で行ったこと、英語で話すことにはポイントがあること、また、水族館での研修や混迷する香港の様子を目の当たりにしたことなど貴重な、有意義な体験が報告されました。
午後のワークショップは英語によるディスカッションです。「グローバリゼーションの利益と課題」をテーマに、1グループ4、5人の受講生が留学生のティーチングアシスタント(TA)に、英語でインタビューしそれを他のグループの受講生が聞き取り、各グループともKJ法を用いてテーマに沿った内容整理や意見をまとめていきました。今回グループでまとめたものをもとに、次回は「グローバリゼーションに対応するため私たちがすべきことは?」と深めていきます。英語ディスカッションは今回が初回でしたが、すべての受講生に英語表現の機会があり、グループ内でも盛んに英語で意見交換を行っていました。回が増すごとに討論の内容も深まっていくことを期待します。
基礎力用意講座終了後、地学オリンピックに向けて、瀧上豊先生による特別支援講座Ⅰが行われました。