2020年10月25日(日)第5回基礎力養成講座を行いました。

メインレクチャーは、農学部・一家崇志先生の「茶樹の遺伝情報と表現型情報の整備でなにができる?」です。冒頭、一家先生の研究室では茶の遺伝資源を用いた次世代育種の研究等を行っていることや研究のモチベーションを高めるため研究の背景を徹底理解することの重要さを話されました。

茶はテアニンやカテキン類など、特有で応用性の高い機能性成分を多く有するため、機能性強化を目的とした研究が強く求められている。研究室では茶の膨大な遺伝情報から、統計的手法を用いてその情報を効率よく取り出し組み合わせることによって新しい育種を短期に安価に作り出した。講演ではその過程を具体的なデータを用いて説明されました。

終わりに次世代(20年後)のお茶のニーズを考え、何に注目して育種に取りかかるべきか?その考えに至った理由、手法を発想せよというレポート課題が出されました。

受講生からは、「とても複雑に見えるゲノム情報を、y=f(x)の一次関数で収めようとする考え方はとても凄いなと思い、関心を持った」、「表現型とゲノムの関係を統計学的に表すことによって、表現型からそのバリエーションを引き起こす遺伝子を見つけたり、遺伝子から表現型を予測できたりすることを知りとても新鮮に感じました」などの感想が寄せられました。

メインレクチャーのタイトルスライド

メインレクチャーのスライド

メインレクチャーのスライド

午後のワークショップは、留学生TA(Teaching Assistant)を交えた英語ディスカッションです。今回のテーマは「Does world need Globalization? Globalization with-and after-COVID19」です。7人のTAへコロナ感染症に関するそれぞれの国の状況や経験をインタビューした後、withコロナ、afterコロナのグローバリゼーションのメリット、ディメリットについて Miro を用いてグループワークを行いました。

ディメリットでは、観光立国としての経済が危うくなる、医療従事者が減少する、失業者が増える、海外留学ができないなど、メリットではオンラインで学んだりリモートで仕事ができる、新しい仕事が生まれる、健康に注意するようになったなどの発表があり、コロナ後を見据えては、新しい秩序を作るべき、国の独自性を保つべきなどの提案がありました。

ワークショップ後の受講生からの感想では「英語を使うことで、たくさんの人々とコミュニケーションが取れるようになることを実感し、英語を学ぶことの大切さを再認識しました。また、コロナウイルスに対抗するためには、世界が様々な分野において協力する必要があるので、グローバル化は重要だと感じました」、「自分で思っていたよりも聞き取ることや、英語で表現することができなくて悔しかった。zoomをやりながら何度も逃げ出したくなったけど、積極的に留学生の方々とコミュニケーションをとることで、自分の英語力が上がることを信じてかんばりたい」、「WSの内容としては、今まで考えたこともないトピックだった上に、留学生の意見を聞くことで「外国」という新しい目線からグローバリゼーション、そしてコロナについて考えることができたため、とても学びが多かったです。例えば、グローバリゼーションは今後必要なことではある一方、貿易がストップすることや国の行き来が難しいことなどからコロナが流行している現在はあまり進められないだろうと考えました」などがありました。

英語ワークショップのテーマ

英語ワークショップのMiroボード例

15:00から2018年、2019年に続き、瀧上豊先生(地学オリンピック日本委員会理事)による地学オリンピック特別支援講座を「地球科学への招待」、「地学オリンピック講座」の二部構成で行いました。

地学オリンピック支援講座

地学オリンピック支援講座