メインレクチャーはふじのくに地球環境史ミュージアム、西岡佑一郎先生の「地球環境史を考える〜博物館と調査研究の現場から〜」です。西岡先生の専門は哺乳類の化石で、地球環境の変化と哺乳類の進化の関係を研究しています。講義では博物館と地球環境史学、ナウマンゾウの話、海外での化石発掘調査について話されました。
地球環境史学とは人間と自然環境の関係について過去から現在までを解析して未来を考える学問で「ふじのくに地球環境史ミュージアム」のテーマになっています。ニホンジカの化石や年縞堆積物、気候変動など具体的な資料や事例に基づいて説明されました。これらについては「百年先 ~地方博物館の大きな挑戦」静岡新聞社刊に詳しくあります。
2つ目のナウマンゾウではゾウの系統や、日本への渡来と絶滅したのはなぜかなど、3つめは西岡先生のミャンマーでの調査の様子を話されました。
受講生から下記のような感想が寄せられました。
環境の変化が人為的だったか自然的だったかを知ることで、これからどう行動していくべきなのか考える材料になるということが分かった。
海外の研究チームに混ざって、調査するのもとても興味深かった。過去、現在から、未来のことを考える地球環境史についてももっと知りたい。
今回の講義は、今までの講義の反省を生かし、『自ら深める講義』にすることができたと感じています。なぜなら、これまでの講義ではできなかった2つのことを成し遂げることができたからです。1つ目は、事前に先生のことについてインターネットで調べ、それを当日の講義に生かすことです。前日に先生のブログや最新の研究論文を確認しておき、講義に参加したことで、先生が多くの知識、技術を持っているということを他の誰よりも感じることができたと思います。2つ目は、講義の途中で疑問に感じたことをメモしておき、質問を準備できたことです。今までは講義が終わった後、自分のメモ全体を見返して聞きたいことを探していたため、質問時間が始まった時、他の人と比べて質問するのが遅いことがほとんどでした。しかし、今回は講義を聞く中で思いついた疑問を同時に記録していたため、質問時間になったら記録しておきたメモだけを見返し、すぐに質問できました。
午後のワークショップのテーマは「学校のテストはなぜ必要か?」です。テストについては受講生の当面するテーマであり、必要、負担に感じるなど様々な意見が出ましたが、総じて必要という意見が多く出ました。
以下受講生の感想です。
英語であっても人と意見を共有すると様々な面に気付くことができた。学生である私たちは常に何らかのテストに追われているのが当たり前となっているが、テストを実施しないという選択肢もあることを知り、またテストが及ぼす影響についてプラス面・マイナス面を見ることができた。同時にあまり好きではないけれど、自分にはテストが必要なのだと気付かされたのは少し悔しい気持ちだった。国や地域によって文化もあれば教育システムも変わってくるのだとわかり、どの方法が最適なのか分からないけれど深く考えさせられ、視野を広げる話し合いを英語で行うという貴重な体験になった。
今回は今までの中でもテーマが身近ということもあり、討論がしやすかったです。最初の頃はTAさんが何を言っているのかが理解できないことばかりだったけれど、ワークショップを通して、他の人の発言を理解したり自分の意見を英語にすることに多少慣れたと思うし、英語への苦手意識を少し克服できたと思うので、とても良い経験でした。
コロナ禍で一度も対面できなかったのは仕方のないことですが、少し寂しかったけれど、計8回の講義と計7回のWSで非常にたくさんのことを学ぶことができました。静大の先生方々やTAの方々、受講生の方々にとても感謝しています。1年間本当にありがとうございました。残すは研究発表会のみとなりましたが、精一杯頑張りたいと思います。
西岡先生のメインレクチャーの動画1
西岡先生のメインレクチャーの動画2
西岡先生のメインレクチャーの動画3
ワークショップ・miroのボードを用いた発表1
ワークショップ・miroのボードを用いた発表2