2023年6月18日(日)研究力養成コース研究発表会を行いました。
2023年6月18日(日)、静岡大学静岡キャンパスの大学会館ホールにて、研究力養成コース受講生による研究発表会を行いました。
研究力養成コースの受講生たちは、2022年11月、自分自身の発想をもとに文献などで先行事例を調べながら研究テーマを提案しました。このとき提案された研究計画は、昆虫の体の構造に関するもの、粘菌の性質に関するもの、ロボットの制御に関するもの、地域の農業や漁業が抱える課題を解決しようとしたもの、地球環境問題の解決を目指した機器類の提案など多彩な分野にわたるものでした。これに対し、静岡大学静岡キャンパスや浜松キャンパスにある全学部の大学教員に指導の協力を求め、それぞれのテーマに近い研究をしている専門家が指導にあたることになりました。12月ごろから本格的な研究が始まり、今回発表された内容は、受講生が静岡大学各学部の大学教員から直接指導を受けながら約半年間かけて進めてきた研究成果です。
発表会場には受講生と研究指導をした大学教員だけでなく、研究発表会に興味を持った教員や、コンソーシアム委員(外部機関)、高校教員、新規にFSS受講を検討している高校生などが集い、発表のポスターを囲んで熱心な討議が続きました。1名の発表者につき大学教員による2名の審査員がつき、学術的な観点とプレゼンテーションスキルの観点で発表内容を評価しました。審査員からは「目的とタイトルがあっていないように思う」「仕組みについての説明の図が必要だった」「もう少し実験を進められると、結果の信頼性が高まる」という辛口の評価がありました。一方で、多くの評価票のコメント欄には高校生ならではの自由な発想に高い評価が寄せられました。審査員からのコメントは次のようなものでした。「難しい課題に対し、少ない時間の中で積極的なアプローチがされ、今後が期待される。」「今回の研究により、次のステップへの課題が明らかにされている。」「時間をかけて形状を工夫し、パラメーターを変えて実験を繰り返すと、実用できるものが作れそうだ。」各受講生には交代で3回のポスター発表の時間が割り当てられ、空いている時間帯には他の受講生の研究発表に耳を傾け、質疑を行っていました。個性あふれる多様なアイディアに触れることを楽しみながら、お互いに切磋琢磨する姿が見られました。まさに静岡大学の理念である「自由啓発・未来創成」が体現された発表会となりました。
受講生は、この研究発表をもってFSS研究力養成コースを修了します。発表会終了後、FSS実行委員長の粟井教授から、受講生一人一人に修了証が手渡されました。研究力養成コースでの研究期間は短いため、もっと研究を続けたい者は研究力発展コースに進むことができます。研究力発展コースでは、来年の3月まで外部への発表を目指して研究が続けられます。