「FSS海外特別講義(海外研修代替)」(2020/11/08)のお知らせ
【FSS海外特別講義(海外研修代替)のお知らせ】
コロナウイルスの影響で発展コース生が参加する海外研修が本年は中止になりました。そこで今年は,海外の一流大学で活躍する日本人研究者によるオンライン特別講義を下記の通り開催します。言語は英語ですが、ゆっくり、そして難しい部分は日本語での説明をお願いしています。オンライン講義ということで基礎力養成コースの皆さんも参加できます。
講義では、サイエンスの話のほか,日本と海外における研究に関する様々な違い(研究者として独立方法、研究室運営、女性研究者のキャリア形成)についてもお話しいただきます。海外留学・独立を考えているFSSのOB/OGおよび大学生の皆さんもぜひご参加ください。
(2020年9月19日 静岡大学FSS事務局)
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「FSS海外特別講義(海外研修代替)」(2020/11/08)
日 時: 2020年11月8日(日)14:00〜16:30
講義形式:ZOOMによるオンライン講義(参加URL,ID,パスワードは別途連絡)
特別講義1「長寿動物コウモリから学ぶ癌抑制の秘密」
Koji Itahana, Ph.D. (Duke-NUS Medical School, Singapore)
多くの先進国で医療の発達に伴い寿命が延び、人生100歳時代と言われるようになり、健康なまま歳をとることが熱望されるようになってきました。それを受け、400年生きるサメや200年生きるクジラなどの長生きする動物からその長寿の秘訣を学ぼうとする研究が脚光をあびつつあります。長寿の一つの要因として、癌にならないことが挙げられます。最近の研究によると面白いことに、ゾウやハダカデバネズミなどの長寿動物が人間とは違った独自の方法で癌になりにくくなっていることがわかってきました。我々は、その一例としてコウモリを研究しています。
一般に、大きい動物ほど長生きするという寿命の法則があるのですが、興味深いことにコウモリはこの法則に当てはまりません。2年程度の寿命しかないマウスぐらいの大きさしかないにももかかわらず、コウモリは40年近く生きます。またコウモリは非常に癌になりにくいことが知られており、その秘密はよくわかっていませんでした。今回の講演では、私の研究歴を含め、我々が発見したコウモリ独自の癌を防ぐ秘密について紹介したいと思います。また、人間の癌や老化を防ぐために、我々の研究をどのように役立たせることができるかも、未発表のデータとともに紹介したいと思います。さらに海外に出て研究することの楽しみや困難など、日本との違いも含めてお話ししたいと思います。
特別講義2「理系女性キャリアパスの一例:海外で研究する利点と不安について」
Yoko Itahana, Ph.D. (Duke-NUS Medical School, Singapore)
これからの大学進学、あるいは、大学卒業後の就職について、どの道に進んでいけばいいのか思い悩んでいる人は多いと思います。私も高校生の時、最初は何をしたいのか、どの方向に進んでいきたいのかというはっきりとした目標を持っていませんでした。今までのキャリアを振り返ってみると、決して順調に進んだとは言えません。
私のキャリアにとっての大きなターニングポイントは、結婚を機にアメリカでの生活を始めたことです。日本から離れて、困難な状況にも幾度も遭遇しました。しかし、海外にいたからこそ学べた利点もたくさんあります。違った研究の経歴を持っている研究者、あるいは生活文化の違う国から来たいろいろな研究者やその家族たちとの交流のおかげで、どのように研究を進めていけばいいのか、ということだけでなく、家族とともにどのように生きていくのかということも、色々と考えさせられました。今回の講演では、今までに悩みながら決断してきた体験を皆さんと共有したいと思います。
問合先: 静岡大学FSS事務室
TEL 054238-4848 Fax 054-238-4328
E-mail office[at]fss.shizuoka.ac.jp
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