2020年12月13日(日)第7回基礎力養成講座を行いました。

メインレクチャーは理学部生物科学科の徳岡徹先生の「被子植物の分類と進化はどこまで分かったか?」です。徳岡先生の専門は「系統分類学」です。冒頭、系統学は進化、分類学は形態、区別を中心とする概念で構成され、系統分類学は両方を併せ持った学問であると説明がありました。分類=名前(学名)を付けるにはルールがあること、学名の構造や分類の階層、分類体系の変遷など具体的な植物を例に説明がありました。

受講生は事前配布の動画を視聴し、当日、徳岡先生には伊豆市天城にある静岡大学フィールドセミナーハウスから受講生の質問に答えていただきました。また、セミナーハウスの周辺の自然や樹木の様子も伝えていただきました。受講生からは植物の葉のつき方(開度)がなぜ半端な分数になっているのか、フィールドワークのおもしろさ、植物を分類するうえで困ることなどの質問がありました。

「意味不明だった学名の意味が分かって少し嬉しかったです。トレンドも何もない古い学問分野だと先生が仰っていましたが、歴史が古いからこその魅力があるなと感じました」、「3数性や葉序の開度にあらわれるフィボナッチ数列などに特に興味をひかれた。やはりなぜそうなっているのかということが気になるが、何故という疑問は最も難しいらしい。ますます好奇心に駆られた」などの感想が受講生から寄せられました。

午後のワークショップのテーマは「科学的探究のすすめ」です。各グループmiroのボード上で討論し、LEDライト、宇宙開発、電子レンジ、プラスチックの改良などの具体例にその根拠を挙げながら科学の魅力、有用性、可能性を紹介しました。

受講生から「科学は重要で面白いということを説明するために自分なりの意見をまとめましたが、その作業が思ったよりも難しかったです。普段から科学を面白いと感じることは多いのですが、具体的にどのように面白いのか、重要なのかを言葉にすることが初めての経験だったので難しく感じたのだと思います」、「今回は自分が考えたことは以前よりも伝えられるようになったが、その場その場でのコミュニケーション(TAとの会話)が出来なかった。質問をするときには拙い文章だったが意志疎通をすることができ、その内容を理解して貰えたことが大きな進歩だったと思う。allEnglishでサイエンスコミュニケーションをする機械は滅多に無いので良い機会だったと思う」などの感想がありました。

メインレクチャーのスライド


天城フィールドセミナーハウスから質問に答える徳岡先生


セミナーハウス周辺の風景


ワークショップ・miroのボードを用いた発表


ワークショップ・miroのボードを用いた発表