2023年2月19日(日)基礎力養成コース第10回、ワークショップを行いました。
2023年2月19日(日)に、基礎力養成コース第10回目の活動として「海外大学生との交流 -英語活用能力・プレゼンテーション能力の向上-」というタイトルのワークショップを対面で行いました。
前回1月22日のワークショップで受講生を7つの班に分け、活動終了後に各班に課題が出されました。課題は「『地域』の困りごとを科学的に解決!」です。受講生たちは、この1か月間で困りごとの解決方法を提案するプレゼンテーションを準備しました。班ごとに解決したいテーマを決め、資料を集め、日本語によるスライドを用意しました。しかし、受講生は学校も住んでいるところもバラバラです。そこで、受講生同士はGoogle classroomを用いての情報交換や議論を進めていきました。
各班のメンバーは、それぞれ別々の研究室で異なる分野の研究を行っており、これまでお互いの興味・関心について話し合ったこともなく、なかなか困りごとが共有できずにいました。それでも時間が経つにつれ、各班リーダーが働きかけを行い情報交換が活発になっていきました。困りごとの背景が理解できるようになると、解決方法に用いるアイディアを絞り込むことができ、やがて議論もかみ合ってきました。
2月19日に7つの班から提示された地域の困りごとは次の通りです。
Ⅰ班 「桜エビの減少について」
Ⅱ班 「畑を荒らす動物たち」
Ⅲ班 「周辺の水質汚濁を解決」
Ⅳ班 「桜エビと水質」
Ⅴ班 「静岡県の農業における課題」
Ⅵ班 「公園の現状と未来」
Ⅶ班 「振動発電 〜エコな街を目指して〜」
ワークショップ当日、まず各班5分の持ち時間で日本語での発表を行いました。発表の後、教員や受講生との質疑の時間を設けました。「自分が居住する地域の特性と選んだ課題がどのように結びついているのか」「提案した科学的解決策が、解決策となる根拠は何か」「提案した解決方法では、実際の作業を誰が担うのか」などの質問が出ました。また、プレゼンテーション資料の作り方に関して、文字数や配置など見やすさの改善を指摘する意見も出ました。
後半は、各班に分かれ、プレゼンテーション資料を英訳するグループワークに取り組みました。それぞれの班には、静岡大学に来ている外国人留学生の皆さんがTAとしてつきました。留学生の皆さんは様々な国の出身者で、必ずしも英語を母国語とはしていません。
まずぶつかった壁は、静岡県および隣接県に住んでいる人たちが抱えている「困りごと」が留学生の皆さんになかなか伝わらないということです。それぞれの国や地域の環境が違います。もちろん文化や社会状況も違うため、テーマとして取り上げた困りごとをTAの皆さんがイメージできないケースもありました。困りごととして掲げたものがどんなもので、何が問題なのかを説明するところから議論はスタートしました。
次の壁は、ローカルな問題を表す適当な英語が見つからないことです。自分たちが見つけた地域特有の話題を、教科書に載っている一般的な単語ではなく、正確かつイメージしやすい科学用語を使いながら英訳するのは、なかなか難しい作業でした。英訳作業に四苦八苦しているうちに、1時間余りのグループワークの時間は終わってしましました。
この後は、再びclassroomを用いて情報交換や議論を班ごとに進めていきます。またこのclassroomでの作業には、外国人留学生のTAが加わり、英訳のお手伝いや発表内容への助言をすることになっています。2月19日のワークショップから1週間ほどが経ち、各班の英訳作業が少しずつ進んできました。TAの皆さんが加わったことで、メンバー内の意見交換も英語で行われることになります。受講生にとっては慣れない英語での討論ですが、自分の意見を英語で説明する書き込みも見られるようになってきました。次回3月19日は、1か月かけて作成した英語資料によるプレゼンテーションです。どんなものが出来上がるか楽しみでもあります。