2024年6月16日(日) 研究力養成コース研究発表会を行いました。

 2024年6月16日(日)研究力養成コース受講生による研究発表会を行いました。

 昨年7月に入校した受講生は、基礎力養成コース(第1段階)の講義を受ける傍、自分が研究力養成コース(第2段階)に進んだ時にやりたい研究テーマを考え、同年8月末より1ヶ月かけて研究提案書を作成しました。各自の研究テーマは、自分自身の発想をもとに文献などで先行事例を調べながら考案したものです。この研究提案書に対する評価と基礎力養成コースの講義に関する振り返りレポートの総合的な評価で、研究力養成コースに進む34名が選抜されました。各受講生が提案した研究には、静岡大学静岡キャンパスや浜松キャンパスにある全学部の大学教員に指導の協力を求め、それぞれのテーマに近い研究をしている専門家が指導にあたりました。
 研究力養成コースの受講生が取り組んだ研究テーマは、汽水湖の潮汐、山火事などで発生した裸地の遷移、MRグラスの理想モデル、土壌窒素と茶葉に含まれる成分など多彩な分野にわたるものでした。今回発表された内容は、受講生が静岡大学各学部の大学教員から直接指導を受けながら約半年間かけて進めてきた研究成果です。

研究発表はポスター発表によって行われた。

研究発表はポスター発表によって行われた。

 

ポスターの前で発表する受講生。

ポスターの前で発表する受講生。

  
 発表会場には受講生、受講生の保護者、コンソーシアム委員(外部連携機関)、協力機関、高校教員、新規にFSS受講を検討している高校生などが集い、発表のポスターを囲んで熱心な討議が続きました。静岡大学の研究指導に当たった多くの教員が駆けつけ、受講生の発表に質疑や助言をしました。さらに、1名の発表者につき2名の大学教員による審査員がつき、学術的な観点とプレゼンテーションスキルの観点で発表を評価しました。

審査員の大学教員から質問を受ける。


 審査員からのコメントには次のようなものがありました。「目的の設定、実験手法の選択はとても良かったです。重要な研究となる可能性を強く感じました」「当初の研究目的に照らした一貫性ある考察(実験データの解釈)につながるように、より深い結果の評価を期待したいです」「研究としての説得力を一層増すために『学術的な問い』がよりわかりやすく設定されるとよいと感じました」「身近なキノコから、社会的につながる研究として期待できると感じました」「強度の高い生分解性プラスチックの開発は非常に重要な課題なので、本研究のさらなる進展を期待しています」

受講生同士もお互いの研究に対して意見交換を行った。

 
 各受講生には3回のポスター発表の時間が交代で割り当てられ、空いている時間帯には他の受講生の研究発表に耳を傾け、質疑を行っていました。静岡県内、県外の全く違う高校から集まってきた高校生たちは、様々な活動を通して率直に意見を述べ合える関係を築き、静岡大学FSSがお互いを高め合う場とすることができました。自ら設定した課題に自らの意志で取り組み、研究指導教員をはじめとして講座に関わった多様な人の多様な考え方に触れ、科学の理論と実験手法を駆使し、研究発表には受講生のFSSでの学びを統合した姿が体現されていました。
 受講生は、この研究発表会をもってFSS研究力養成コースを修了します。発表会終了後、実行委員長の粟井教授から、受講生一人一人に修了証が手渡されました。そして、さらに研究を続けたい者は、審査を経て研究力発展コース(第3段階)に進むことになります。研究力発展コースでは、来年の3月まで、学会発表など外部への発表を目標に研究が続けられます。

発表会終了後、粟井委員長から研究力養成コースの修了証が授与された。


受講生と発表会に参加した大学教員全員で記念写真を撮影した。受講生と発表会に参加した大学教員全員で記念写真を撮影した。


受講生が行った研究(2023年度研究力養成コース)