<2017 FSS><2018 FSS><2019 FSS><2020 FSS><2021 FSS-B>
<2022 FSS><2023 FSS><2024 FSS><2025 FSS><2017-2025 活動報告>

2022 FSS プログラムの内容(2022年度)

2022年度は第二期FSS「つなげる力で世界に羽ばたけ 未来の科学者養成スクール(FSS)未来創成型」の1年目が始まります。

2022 FSSプログラムは、受講生の安全第一とコロナウィルス感染拡大防止の観点から、対面形式(静岡大学構内で実施)オンライン形式(リアルタイム同時双方向型やオンデマンド型など)の講義・ワークショップを併用実施し、受講生には静岡大学へ通学して参加あるいはオンラインツールを用いて自宅から参加していただきます。

例えば、オンライン形式の講義は、動画配信サービスを利用したオンデマンド形式あるいはZoomを用いたリアルタイム同時双方向形式で受講し、ワークショップは Zoomを用いて参加いただきます。

講座内容(2022年度)

2022/08/21(日)第1回講座 活動報告(対面開講)

メインレクチャー1
池田 恵子 (静岡大学教育学部・社会地理学)
「自然災害は自然現象か」
 近年、国内外で自然災害が頻発し、大きな被害をもたらしています。一方で、多くの災害研究者が、「『自然災害』は全く存在しない」と主張しています。それは、洪水や地震などに代表されるハザード(潜在的危険性)そのものは災害ではなく、ハザードが人間に影響を与える時にだけ災害になるからです。「災害リスク」と私たちが言う時、それはハザードが災害になりえる可能性について話していることになります。リスクはハザードの強度だけに関係しているのではなく、国や地域社会、私たち個々人の脆弱性や能力など、社会の側の要因次第でもあります。
 この講義では、自然科学分野の研究を行う際に、視野を広げて社会科学的なものの見方も踏まえることの有効性について考えます。

サブレクチャー1
瓜谷 真裕 (静岡大学FSS事務局・コーディネータ)
「研究者倫理 〜 研究結果の取り扱いを中心に 〜」
 研究とは、観察や実験で得られた結果という事実を根拠に、筋道を立てて考察し、理論や法則、画期的な手法や技術、新規な視点等を導く営みです。研究成果は学術の世界だけでなく社会へ大きな影響を与えるので、研究者は自分の作り出す試料や観察/実験の結果に慎重であるべきです。これを怠ると、誤った結論を導きかねません。また、安易なコピー&ペーストは他人の研究成果を盗用するという行為につながりかねません。この講義を受講することで、研究者としての心構えと研究結果の取り扱いの注意点を説明できるとともに、自分の研究で実践することができるようになります。


2022/09/04(日)第2回講座 活動報告(オンライン開講)

メインレクチャー2
弓削 達郎 (静岡大学理学部物理学科)
「悪魔の物理学 – 情報熱力学入門 -」
 19世紀にMaxwellは「低温側から高温側へ熱が移動する」という現象を起こす悪魔を思考実験において考えました。これは物理法制に反するように見えるため、悪魔のパラドクスとして長いこと議論されてきました。講演では、このパラドクスの現代的な解決とそれに伴い進展した情報熱力学についてご紹介します。

サブレクチャー2
石原 顕紀 (静岡大学理学部生物科学科)
「知的財産権」
 近年、企業戦略としての知的財産権の活用は非常に重要です。大学などの公的教育研究機関においても知財マインドは重要視されるようになってきました。特に理系分野では、得られた研究成果をどのように知財として権利化し、保護していくか、そのような戦略の検討が避けては通れない時代になってきました。
 「知財」は知れば知るほど面白い側面があります。一緒に学習していきましょう。今回のサブレクチャーでは、主に特許権、商標権、著作権などについて、実例を紹介しながら解説します。


2022/09/11(日)第3回講座 活動報告(対面・ハイブリッド開講)

メインレクチャー3
平井 浩文 (静岡大学農学部応用生命科学科)
「キノコが地球を救う!-バイオリファイナリーとバイオレメディエーション-」
 自然界にて木材は、木材腐朽菌と呼ばれる一群の微生物で腐朽・分解されており、その中でも白色腐朽菌は木材中の主要成分であり、難分解性芳香族高分子であるリグニンを高度に分解出来る微生物であり、一説には、白色腐朽菌の出現により、石炭紀の終焉を引き起こしたとも言われている程、重要な微生物である。この様に書くと難しく感じるかもしれないが、シイタケ、ヒラタケ、エリンギといったキノコが白色腐朽菌であり、実は身近な存在である。本講演では、白色腐朽菌の意外な能力を駆使して、木質バイオマスからバイオ燃料やプラスチック原料を作り出すことの出来る白色腐朽菌の作出の話、さらに、環境汚染物質を分解する白色腐朽菌の話を解説する。これらの結果は、白色腐朽菌が現在の地球環境問題(地球温暖化、環境汚染等)を解決する可能性を秘めており、演者の苦労話等を交えて講演する。

サブレクチャー3
瓜谷 真裕 (静岡大学FSS事務局・コーディネータ)
「研究提案書の作成」
 未来の科学者・技術者にとって、研究を始めるに当たり必要なこと。それは二つあります。まず一つは心構え、そしてもう一つは準備です。心構えについては、8月21日のサブレクチャー「研究者倫理」で学びました。今回のサブレクチャーでは準備、すなわち研究提案書の作成について解説します。研究テーマの設定、先行研究の調査と背景の理解、この研究で明らかにすべき目的、その目的を達成するための方法と工程、そして研究の特色・ユニークな点(この研究のウリ)、研究成果の発信・目標など。これらの要点を十分理解し、研究提案書を作成できる力を身につけます。研究提案書は、研究力養成コースへ進むための二次選抜の重要な資料です。優れた研究提案書が書けるよう、がんばりましょう。


2022/10/02(日)第4回講座 活動報告(オンライン開講)

メインレクチャー4
三井 雄太 (静岡大学理学部地球科学科)
「プレート境界地震の発生メカニズム – 2011年東北地震後の進展 -」
 大地震の多くは、プレートの沈み込み境界で起きています。2011年東北地震後、この種の地震が発生する物理過程の研究に、いくつかの進展が見られました。特に「断層内流体」「ゆっくり変形」の果たす役割について、ご紹介します。

サブレクチャー4
生田 領野 (静岡大学理学部地球科学科)
「理系の文章作成方法(パラグラフ・ライティング)」
 未来の研究者・技術者にとって、文章で正しく効果的に情報を伝える能力は必須です。本サブレクチャーでは、そのための作文技法としてパラグラフライティングを紹介します。その概念とルールを学び、実際にルールに則って作文をしてみましょう。極めると自然に簡潔、論理的、誤解を生じない文章が書けるようになること請け合いです。高校のレポートや研究成果報告会の要旨、将来の学術論文作成に役立ててください。


2022/10/16(日)第5回講座 活動報告(オンライン開講)

メインレクチャー5
松本 剛昭 (静岡大学理学部化学科)
「マイナス270℃で気体としてふるまう物質」
 一般的に、物質は温度を下げ続ければ固体となります。ところが超音速ジェット噴流という特殊な手法を使えば、マイナス270℃の極低温でも気体である物質を簡単に作れます。そんな不思議な物質のユニークな性質を、「幾何構造」に基づいて紹介します。

サブレクチャー5
静岡大学 数理・データサイエンス 教育プロジェクト
「統計学:その1(データの代表値とばらつき)」
 4.1 尺度水準(約11分)
 4.2 代表値1(約6分)
 4.3 代表値2(約8分)
 4.4 データの可視化1(約9分)
 4.5 データの可視化2(約10分)
 4.6 データの可視化3(約12分)
 4.7 データの可視化4(約7分)


2022/10/30(日)第6回講座 活動報告(対面・ハイブリッド開講)

メインレクチャー6
後藤 寛貴 (静岡大学理学部生物科学科)
「姿が異なるオスとメス – クワガタムシから見る雌雄で異なる形態形成メカニズム -」
 生物の中には、オスとメスでおおきく異なる姿をした種類がしばしば見られます。このような雌雄間で表現型が大きく異なる現象は「性的二型」と呼ばれ、シカの角やクジャクの飾り羽など様々な例が知られています。しかし、いくら異なる姿をしていると言っても、同じ種類なのですからオスとメスで持っているゲノム情報はほとんど同じはずです。なぜ、ほぼ同一のゲノムから全く異なる形態を作ることができるのでしょうか?
 顕著な性的二型を示す生物として我々にも身近な種類としてクワガタムシが挙げられます。クワガタムシのオスは闘争用の大きな大顎(いわゆる「ハサミ」の部分)を持っていますが、メスの大顎は小さい未発達なものです。演者はこれまで、このクワガタムシを研究対象に、どのような分子発生メカニズムにより、姿が異なるオスとメスを形作っているのかを研究してきました。この発表では、主にオスの大顎を発達させるホルモンによる制御に関する研究と、性を決める遺伝子に関する研究について、最新の研究も含めてご紹介します。

サブレクチャー6
室伏 春樹 (静岡大学教育学部教科教育学専攻)
「プレゼンテーションの要点」
 せっかく良い研究をしていても、その成果が相手に正しく伝わらなければ意味がありません。表現や提示の方法で内容の伝わりやすさが変わるのであれば、伝わりやすい方法でプレゼンテーションを行うことが重要ではないでしょうか。このサブレクチャーではプレゼンテーションソフトウェアを利用した発表資料を作成する際に心がけたいポイントを解説します。具体的にはフォントや配色の選択、画面のレイアウト等です。このサブレクチャーを通して、相手に伝わる発表資料づくりを目指していきましょう。


2022/11/13(日)第7回講座 活動報告(オンデマンド開講)

メインレクチャー7
近田 拓未 (静岡大学理学部放射科学教育研究推進センター)
「海水から太陽をつくる〜核融合炉が拓く未来〜」
 日々私たちを照らしてくれる太陽は、核融合反応でエネルギーを生み出しています。核融合炉の研究は、いわば海水から〈太陽をつくる〉取り組みです。究極のエネルギーへの人類の挑戦についてご紹介します。

サブレクチャー7
静岡大学 数理・データサイエンス 教育プロジェクト
「統計学:その2(群間の比較)」
 6.4 母集団、標本、無作為抽出(約7分)
 6.5 有意差検定(約13分)
 6.6 様々な検定手法の紹介(約15分)
 8.1 データの収集,データの保存,前処理1(約11分)
 8.2 データの前処理2,分析手法の選択(約13分)
 8.8 再現性,チャンピオンデータ(約11分)


2022/12/11(日)第8回講座 活動報告(対面・ハイブリッド開講)

メインレクチャー8
下村 勝 (静岡大学工学部電子物質科学科)
「ナノの世界でのものづくり」
 ナノメートルの世界で物を作るための方法の一つとして、自ら規則的な構造を作り出す自己組織化と呼ばれる現象を応用する手段があります。例えば、雪の結晶は大変複雑で規則的な構造をしていますが、水分子が勝手に配列した結果現れるマクロの構造です。それと似た自己組織化的結晶成長を、ナノメートルの世界で実現することで、新しい特徴を持った材料が開発されています。原料の供給度合い、温度、圧力などの環境に加え、界面活性剤と呼ばれる物質を加えると、結晶の成長に劇的な変化が生じます。
 この講義では、ナノの世界で、どのようにものづくりが行われているかについて考えます。

サブレクチャー8
谷 俊雄 (静岡大学FSS事務局・サブコーディネータ)
「科学コミュニケーションへの招待  -科学者と社会を繋ぐスキル-」
 私たちは科学や技術の成果を背景に生活をしています。ところが、現代では科学や技術の研究分野が細分化されています。ある分野の専門家も、他の分野については知らないことがたくさんあります。そのような社会に新たな研究の成果を送り出そうとするときには、科学者や一般市民など立場の異なる人たちが情報を共有し物事を決めていかなければなりません。その仲立ちをするのが科学コミュニケーションです。
 この講義では、科学コミュニケーション活動について3つの問いを立ててみます。①誰のための活動なのか?②何を伝えたら良いのか?③科学者と社会をどう繋げたら良いのか?これら3つの問いの答を、グループワークを通して考えてみましょう。



 

 

—->