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プログラムの内容(2019年度)

[1年目]

☆基礎力養成コース(2019年度)

静岡キャンパスで実施します。

■メインレクチャー
工学や生物学など、テーマごとに先端研究を知り、それについて考える講義です。
■サブレクチャー
研究に必要な基本的知識・技術について、講義を受け、演習などを行います。
■ワークショップ
科学に関するテーマを取り上げ、小グループに分かれて討論をします。


* やむを得ない理由で欠席した場合は、SETV受講生限定講座の録画資料を視聴してください。
* 閲覧に必要な情報は受講生メーリングリスト経由のメールあるいはFSS-HPの「お知らせ(メンバー限定)」、「FSS受講生専用掲示板」等で連絡します。
* 通常、メインレクチャー・サブレクチャーの録画は、通常、講座の1〜3日後(編集が必要な場合は5〜7日後)にFSS受講生限定で公開します。

講義内容(2019年度)

2019/07/27(土)第1回講座 活動報告

サブレクチャー1
瓜谷 眞裕 (FSS委員長,理学部化学科)
「研究者倫理 〜 研究結果の取り扱いを中心に 〜」
 研究とは、観察や実験で得られた結果という事実を根拠に、筋道を立てて考察し、理論や法則、画期的な手法や技術、新規な視点等を導く営みです。研究成果は学術の世界だけでなく社会へ大きな影響を与えるので、研究者は自分の作り出す試料や観察/実験の結果に慎重であるべきです。これを怠ると、誤った結論を導きかねません。また、安易なコピー&ペーストは他人の研究成果を盗用するという行為につながりかねません。この講義を受講することで、研究者としての心構えと研究結果の取り扱いの注意点を説明できるとともに、自分の研究で実践することができるようになります。

メインレクチャー1
大西 利幸 (農学部応用生命科学科)
「なぜ植物は良い香りがするのだろう? 〜 化学の目で見る植物生態学 〜」
 「日常茶飯事」とは、食事をしたり茶を飲んだりするように日常にありふれていることを意味する。この慣用句から、茶は我々の日常生活に深く浸透していることがわかる。茶だけでなく,様々な食品,飲料,また化粧品には植物が生み出す多数の「香り」が含まれている。植物がなぜ「香り」を生み出すのか?「香り」の生理学的意義に関する基礎的な知見および最新の研究事例を化学の視点で紹介します。


2019/08/03(土)第2回講座 活動報告

メインレクチャー2
前田 恭伸 (大学院工学専攻事業開発マネジメントコース)
「KJ法入門」
 KJ法は、京都大学の川喜田二郎によって開発されたデータ処理の一手法で、発想法あるいはアイディアを整理する方法としてよく知られています。この手法は討論の基礎となる、自分の論点や疑問点を明らかにする方法として優れています。つまり討論の土台を作ります。実際この手法は京都大学の様々な研究者に共有され、生態学、人類学、サル学などの発展に貢献しました。今回の講座ではこのKJ法について、演習を中心に実際に手を動かしながら学んでいきます。


2019/08/21(水)第3回講座 活動報告

メインレクチャー3
松本 剛昭 (理学部化学科)
「赤外線を使った分子科学 〜 目には見えない光で分子の指紋を読み解く 〜」
 赤外線という言葉から真っ先にイメージするのは何?と聞かれれば、多くの方がこたつの熱源やテレビのリモコンを頭に浮かべるかと思います。赤外線は電磁波の一種で、可視光線よりも波長の長い “目には見えない光” です。ヒトの目には見えない赤外線ですが、これを分子に照射するとその構造をはっきりと言い当てることができます。それはあたかも、分子がもつ指紋を赤外線が照らすことで分子の個人情報を取り出すかのようです。本レクチャーでは、光の一般的な性質から学び始め、分子の指紋を赤外線で読み解く原理を解説しす。そして、このような研究が化学や物理学そして天文学へと分野横断的に応用されている様子を紹介します。


2019/09/08(日)第4回講座 活動報告

ワークショップ3
谷 俊雄 (静岡科学館る・く・る)
「科学コミュニケーション演習(科学技術と社会)」
 人類が社会を形成していくとき、課題解決のためにどのような科学や技術が必要となるのでしょうか。その過程で、科学コミュニケーションはどのような役割を担うのでしょうか。
(1) 古代人の視点で、科学や技術を考えてみよう!
 古代人にとって、どんな科学や技術が必要だったのでしょう。ロールプレイをしながら考えてみましょう。 
(2) 未来のエネルギーをどう使う?
現代の社会は、化石燃料から得られるエネルギーを使いながら発展してきました。でも私たちの未来はどうなるでしょうか? エネルギーをキーワードに未来の社会を考えた時、どんな科学技術上の課題があり、どんな社会の構造変化が必要になるかを考えてみましょう。


2019/10/27(日)第5回講座 活動報告

メインレクチャー4
山田 和芳 (ふじのくに地球環境史ミュージアム)
「湖の底から、歴史を読み解く」
 湖の底にたまる年縞(ねんこう)という堆積物には、過去の自然環境や人間活動の履歴が精緻に記録されています。年縞は、地質時代の時間のものさし(基準)となり、それには日本の小さな湖で発見された年縞が多大な貢献をしてきました。年縞には、過去の気候変動や、災害の歴史などが一年単位で記録されていることが明らかになりました。また、この年縞を使って、分野横断(学際)研究が展開され、古代文明と環境の関係についての研究が推進され、新知見が得られています。この講義では、地球科学が、考古学や文化人類学に貢献できていることも含めて紹介します。


2019/11/23(祝・土)第6回講座 活動報告

メインレクチャー5
青木 徹 (電子工学研究所/情報学部/株式会社ANSeeN 取締役最高技術責任者(CTO))
「半導体の基礎研究から放射線カメラのベンチャー企業へ 〜 半導体結晶成長から Vtuber まで 〜」
 私の研究分野は、ナノビジョンサイエンスです。半導体の基盤研究をベースに、X線などの放射線検出器やカメラデバイスの研究を進めてきました。そして、個々のX線光子を検出し、発生する電子数を正確に数えることに成功。これにより、放射線の新しい情報の抽出ができるようになりました。そして2011年、得られた研究成果をもとに、静岡大学発ベンチャー企業(株)ANSeeN を設立。製品を社会へ送り出しました。この製品は、産業での実用化のみならず学術の進展にも貢献しました。一方で、X線の持つ高い透過力を利用した物体内部を含む三次元情報(ボクセルデータ)の取得と解析も可能になりました。この講義では、三次元イメージング処理を Vtuber に応用した例も示し、これまでの研究成果とその応用への過程を解説します。そして、大学での基礎研究が、成果物を通して社会に展開していく、そういったダイナミックな動きも伝えたいと思います。


2019/12/15(日)第7回講座 活動報告

メインレクチャー6
竹下 温子 (教育学部家政教育講座)
「well-being を追求する」
 Well₋bing (ウエルビーング)は一言で表すと「幸福」ですが、本来、「身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」とされています。つまり1984年に定義された「健康」の概念そのものです。家政学は 人間生活における人と環境との相互作用 について、人・物の両面から研究し、生活の質の向上と人類の福祉に貢献する実践的総.合科学であり、まさにwell-bingを追求した学問となります。そこで本講座では、家政学の中でも食(栄養学)にスポットをあて歴史的な背景から最近注目されている研究について紹介します。


2020/02/02(日)第8回講座 活動報告

メインレクチャー7
青木 憲治 (農学部ふじのくにCNF寄附講座)
「科学技術とイノベーション」
 人命を救うための自動車のエアバックは標準装備の時代になりましたが、その技術の根幹は、”花火”です。イノベーションを興すためには、全く新しい発見や技術の進歩も重要ですが、昔ながらの技術を活かした“温故知新”という発想も重要です。本講義では、学生時代に取組んでいたエアバックのガス発生剤開発を例として紹介し、また、科学技術とイノベーションの関係についても事例を取り上げて紹介します。さらに、現在行っている将来イノベーションを興す新素材セルロースナノファイバー(CNF)の開発についても紹介します。


☆研究力養成コース(2019年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*2
大学の研究室に配属され、指導教員の下で研究活動を行います。

【A】自己推薦 ・ 一般型

コーディネーターの指導の下、研究計画書を作成するところから始めます。

【B】自己推薦 ・ 自主研究推進型

自分の研究テーマに適合する研究室に配属されます。

【C】学校推薦 ・ 連携活動型

自分の希望と高校の先生の意見を参考に、配属先を決定します。
*2●来学日は指導教員と相談して決めてください。

 

研究発表会(2019年度 2020年3月24日)

2018年度 静大TV撮影ダイジェスト版(06:46)

2018年度 静大TV撮影ロングバージョン版(18:17)

 

選抜(2020年3月)

次の年に継続して、活動を行うことにより、進展が見込め、成果が期待できるかを判定します。

[2年目]

☆発展コース(2019年度,2020年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*3
具体的な目標をもって、活動します。

目標の例

国際学会での研究発表
学術誌への論文投稿
科学オリンピック
科学賞など・・・

*3●来学日は指導教員と相談して決めてください。