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プログラムの内容(2020年度)

FSSのプログラムは本来すべてが対面実施ですが、2020年度は今回の緊急事態宣言を受けて、受講生の安全第一と感染拡大防止の観点から、終息までの間すべてのプログラムをオンライン形式(リアルタイム同時双方向型やオンデマンド型など)で行うことを検討しています。オンライン形式の場合、受講生には、オンラインツールを用いた講義・ワークショップに自宅から参加していただき、教員の研究指導をオンラインで受けていただきます。

例えば、講義は静岡大学教育TVを利用したオンデマンド形式あるいはZoomを用いたオンライン形式(リアルタイム同時双方向形式)で受講し、ワークショップは Zoom や Teams を使って参加します。インターネット環境が整っていれば、パソコンやタブレット端末はもちろん、スマートフォンでの場合もWi-Fi接続で通信経費を軽減できます。研究指導は電子メールのほか、Zoom やスカイプを使って受けることができます。

[1年目]

☆基礎力養成コース(2020年度)

静岡キャンパスで実施します。



* やむを得ない理由で欠席した場合は、SETV受講生限定講座の録画資料を視聴してください。
* 閲覧に必要な情報は受講生メーリングリスト経由のメールあるいはFSS-HPの「お知らせ(メンバー限定)」、「FSS受講生専用掲示板」等で連絡します。
* 通常、メインレクチャー・サブレクチャーの録画は、講座の1〜3日後(編集が必要な場合は5〜7日後)にFSS受講生限定で公開します。

講義内容(2020年度)

2020/07/25(土)第1回講座 活動報告(オンライン講座)

サブレクチャー1
瓜谷 眞裕 (FSS委員長,静岡大学理学部化学科)
「研究者倫理 〜 研究結果の取り扱いを中心に 〜」
 研究とは、観察や実験で得られた結果という事実を根拠に、筋道を立てて考察し、理論や法則、画期的な手法や技術、新規な視点等を導く営みです。研究成果は学術の世界だけでなく社会へ大きな影響を与えるので、研究者は自分の作り出す試料や観察/実験の結果に慎重であるべきです。これを怠ると、誤った結論を導きかねません。また、安易なコピー&ペーストは他人の研究成果を盗用するという行為につながりかねません。この講義を受講することで、研究者としての心構えと研究結果の取り扱いの注意点を説明できるとともに、自分の研究で実践することができるようになります。

メインレクチャー1
塩尻 信義 (静岡大学理学部生物科学科;動物発生学・再生医学)
「肝臓の再生の不思議」
 肝臓は、私たちが生きていく上で欠かせない代謝臓器です。その3分の2を失っても元の容量に回復でき、再生能力に優れた臓器として知られます。これはギリシャ神話にあるプロメテウスの火の話にも出てきます。古代の人々がどのようにして肝臓の再生能力を知ったのか、興味深いですが、最近では肝臓の再生の仕組みについて次々と新しいことが明らかになっています。しかし、その仕組みは必ずしも肝臓の再生に特有のものではありません。そのため、肝臓の再生の仕組みとして証明されたことが、肝臓とはあまり関係のない病気の治療にも応用されています。この講義では、肝臓の再生の不思議について生物多様性の観点もふくめて紹介します。


2020/08/02(日)第2回講座 活動報告(オンライン講座)

メインレクチャー2
前田 恭伸 (静岡大学大学院工学専攻事業開発マネジメントコース)
「KJ法入門」
 KJ法は、京都大学の川喜田二郎によって開発されたデータ処理の一手法で、発想法あるいはアイディアを整理する方法としてよく知られています。この手法は討論の基礎となる、自分の論点や疑問点を明らかにする方法として優れています。つまり討論の土台を作ります。実際この手法は京都大学の様々な研究者に共有され、生態学、人類学、サル学などの発展に貢献しました。今回の講座ではこのKJ法について、演習を中心に実際に手を動かしながら学んでいきます。


2020/08/30(日)第3回講座 活動報告(日程変更,オンライン講座)

メインレクチャー3
山極 芳樹 (静岡大学工学部機械工学科; 宇宙工学)
「宇宙開発の歴史とこれから:宇宙エレベーターが開く新たな宇宙開発の時代」
 最初の人工衛星が打ち上げられてから今年で60年、その間、宇宙開発は人類に様々な恩恵をもたらしてきましたが、宇宙へ自由に行き来できるという状態までは至っていません。宇宙エレベーターは、それを可能にする夢の宇宙輸送システムとして近年注目を集めています。本レクチャーでは、宇宙開発の歴史を概観するとともに、注目の宇宙エレベーターについて、その仕組みと研究開発の現状、我々のグループの超小型衛星を使った宇宙での技術実証の取り組み等について解説します。


2020/09/13(日)第4回講座 活動報告(オンライン講座)

ワークショップ3
谷 俊雄 (静岡科学館る・く・る)
「科学コミュニケーション演習(科学技術と社会)」
 人類が社会を形成していくとき、課題解決のためにどのような科学や技術が必要となるのでしょうか。その過程で、科学コミュニケーションはどのような役割を担うのでしょうか。
①古代人の視点で、科学や技術を考えてみよう!
 古代人にとって、どんな科学や技術が必要だったのでしょう。ロールプレイをしながら考えてみましょう。 
②未来のエネルギーをどう使う?
 現代の社会は、化石燃料から得られるエネルギーを使いながら発展してきました。でも私たちの未来はどうなるでしょうか?エネルギーをキーワードに未来の社会を考えた時、どんな科学技術上の課題があり、どんな社会の構造変化が必要になるかを考えてみましょう。


2020/10/25(日)第5回講座 活動報告(オンライン講座)

メインレクチャー4
一家 崇志 (静岡大学農学部応用生命科学科; 植物栄養学・土壌学)
「茶樹の遺伝情報と表現型情報の整備でなにができる?」
 茶は世界で最も愛飲されている嗜好飲料の1つです。「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも追い風となり、和食文化を象徴する日本茶は日本文化の海外展開において鍵となる工芸作物として位置付けられています。また、茶はテアニンやカテキン類など、特有で応用性の高い機能性成分を多く有するため、機能性強化を目的とした研究も強く求められています。今回の講座では,茶の生産者と消費者が将来の多様で複雑なニーズに答えるためのアプローチについて、植物栄養学や植物分子育種学といった視点からの問題解決法について解説します。


2020/11/08(日)海外研修代替講義 活動報告(オンライン講座)

特別講義1
Koji Itahana, Ph.D. (Duke-NUS Medical School, Singapore) 
「長寿動物コウモリから学ぶ癌抑制の秘密」
 多くの先進国で医療の発達に伴い寿命が延び、人生100歳時代と言われるようになり、健康なまま歳をとることが熱望されるようになってきました。それを受け、400年生きるサメや200年生きるクジラなどの長生きする動物からその長寿の秘訣を学ぼうとする研究が脚光をあびつつあります。長寿の一つの要因として、癌にならないことが挙げられます。最近の研究によると面白いことに、ゾウやハダカデバネズミなどの長寿動物が人間とは違った独自の方法で癌になりにくくなっていることがわかってきました。我々は、その一例としてコウモリを研究しています。
 一般に、大きい動物ほど長生きするという寿命の法則があるのですが、興味深いことにコウモリはこの法則に当てはまりません。2年程度の寿命しかないマウスぐらいの大きさしかないにももかかわらず、コウモリは40年近く生きます。またコウモリは非常に癌になりにくいことが知られており、その秘密はよくわかっていませんでした。今回の講演では、私の研究歴を含め、我々が発見したコウモリ独自の癌を防ぐ秘密について紹介したいと思います。また、人間の癌や老化を防ぐために、我々の研究をどのように役立たせることができるかも、未発表のデータとともに紹介したいと思います。さらに海外に出て研究することの楽しみや困難など、日本との違いも含めてお話ししたいと思います。

特別講義2
Yoko Itahana, Ph.D. (Duke-NUS Medical School, Singapore)
「理系女性キャリアパスの一例:海外で研究する利点と不安について」
 これからの大学進学、あるいは、大学卒業後の就職について、どの道に進んでいけばいいのか思い悩んでいる人は多いと思います。私も高校生の時、最初は何をしたいのか、どの方向に進んでいきたいのかというはっきりとした目標を持っていませんでした。今までのキャリアを振り返ってみると、決して順調に進んだとは言えません。
 私のキャリアにとっての大きなターニングポイントは、結婚を機にアメリカでの生活を始めたことです。日本から離れて、困難な状況にも幾度も遭遇しました。しかし、海外にいたからこそ学べた利点もたくさんあります。違った研究の経歴を持っている研究者、あるいは生活文化の違う国から来たいろいろな研究者やその家族たちとの交流のおかげで、どのように研究を進めていけばいいのか、ということだけでなく、家族とともにどのように生きていくのかということも、色々と考えさせられました。今回の講演では、今までに悩みながら決断してきた体験を皆さんと共有したいと思います。


2020/11/23(月・祝)第6回講座 活動報告(オンライン講座)

メインレクチャー5
堀田 淳 (株式会社 ゾディアック)
「3次元画像処理技術の開発現場」
 成長著しい3次元画像処理技術は、スマホやゲーム、自動運転、医療機器など様々な身近なツールにも搭載されている、非常に興味深い分野の技術です。
 しかしながら、これらの分野の技術開発を目指す場合、学校での受講や資格取得だけでは最先端戦闘力の獲得には程遠く、この分野で開発の仕事をするためには従来の教育に加えて独自の取組が必須です。
 今回はその一例として私たち開発企業の取組を紹介する事を通じ、皆さんの今後の取組の為の参考になればと言う趣旨で、実際の3次元画像処理技術の開発についてお話をさせて頂きます。


2020/12/13(日)第7回講座 活動報告

メインレクチャー6
徳岡 徹 (静岡大学理学部生物科学科; 植物系統分類学)
「被子植物の分類と進化はどこまで分かったのか」
 物事を分類するということは、私達が物事をどのように理解するのかということと直結しています。生物分類学は、私達自身が生きていくために必要な知識(利用できる・できない)として始まりましたが、外部の環境によって変化(進化)していく、その道筋によって分類していくという考え方に至りました。しかし、その進化という考え方を最初に提唱したダーウィンでさえも被子植物の進化は「忌まわしき謎」と考えていました。現在でも様々な分子情報や形態情報が加えられて、分類体系が少しづつ改良されています。被子植物やその形態がどのように進化してきたのか解説していきます。


2021/01/11(月・祝)第8回講座 活動報告

メインレクチャー7
西岡 佑一郎 (ふじのくに地球環境史ミュージアム; 古哺乳類学)
「地球環境史を考える 〜 博物館と調査研究の現場から 〜」
 ふじのくに地球環境史ミュージアムでは、百年後の静岡が豊かであるために我々は今何ができるのかをコンセプトに、自然史・環境史資料の収集と調査研究を行っています。なかでも古生物資料は過去から現在、そして未来の人と自然の在り方を調べることができるため、地球環境史学の柱として重視されてきました.当ミュージアムに収集・展示されている資料と哺乳類化石の調査研究の紹介を通して、地球環境史を古生物学から考えるために必要な知識と研究アプローチについて学習します。


☆研究力養成コース(2020年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*2


 

研究発表会(2020年度 2021年3月24日)

2018年度 静大TV撮影ダイジェスト版(06:46)

2018年度 静大TV撮影ロングバージョン版(18:17)

 

選抜(2020年3月)

次の年に継続して、活動を行うことにより、進展が見込め、成果が期待できるかを判定します。

[2年目]

☆発展コース(2019年度,2020年度)

静岡キャンパスもしくは浜松キャンパスいずれかで実施します。*3
具体的な目標をもって、活動します。

目標の例

国際学会での研究発表
学術誌への論文投稿
科学オリンピック
科学賞など・・・

*3●来学日は指導教員と相談して決めてください。